PHPを動作させる環境について
2.1 PHPを動作させる環境について
PHP言語を用いてプログラムを作ったり、作ったプログラムを動作させるには色々な準備が必要です。本章では、具体的にどのような準備が必要なのか確認していきましょう。
2.1.1 PHPに必要なもの
PHPでプログラムを作って動かすためには、準備しなければならないソフトウェアがいくつかあります。下図で紹介するケースは「開発コンピュータ」と「Webサーバ」が別々になっていますが、同一のコンピュータで行っても問題はありません。
図 2.1.1 PHP動作に必要なソフトウェア
① テキストエディタ
PHPのプログラムを記述するために使います。
② FTPクライアント
ファイルをWebサーバへ送るために使用します。開発環境とWebサーバが同じコンピュータの場合は必要ありません。
③ Webブラウザ
Webサーバへアクセスし、Webサーバから送られた画像やテキストといったデータを表示するために使用します。
④ データベースクライアント
データベースサーバ上のデータを容易に扱う為のソフトウェアです。
⑤ PHP
PHPプログラムを動かすエンジンとなるソフトウェアです。このソフトウェアがあることで、PHPプログラムが解析され実行されることになります。
⑥ FTPサーバ
FTPを使用してファイルの送受信を行うサーバです。
⑦ Webサーバ
Webブラウザからの要求を受け入れ、PHPエンジンの作動や、PHPプログラムの実行結果とHTML文章などをWebブラウザの応答として返すために使用します。
⑧ データベースサーバ
データベースを管理する仕組みを「データベース管理システム(Database Management System, DBMS)」といいます。これを略して一般的に「データベース(サーバ)」とも呼びます。
2.1.2 PHPプログラミングを行う流れ
PHPでプログラミングを行う基本的な流れは以下の図のようになります。
図 2.1.2 PHPプログラミングの流れ
今回のような流れはPHPに限らず、どのようなWebアプリケーションを作成する場合でも同じですので覚えておいて下さい。
2.1.3 Webアプリケーションを開発する環境
Webアプリケーションの開発を、プログラムを作成する開発者の立場から見た場合、以下の図のようになる場合がほとんどです。
・ 開発する(PHPをプログラミングする)コンピュータと、実行するコンピュータが分かれている
図 2.1.3 開発環境とサーバ環境を別々のコンピュータに分けた構成例
図では、Webサーバとは別の開発用のコンピュータでプログラムを作成し、その作成したファイルをWebサーバへ転送して動作の確認を行っています。
PHPの動作に対応しているプロバイダと契約を行えば、自身で作成したPHPプログラムをWebサーバへ転送すればすぐに動作させることが可能です。その時の構成は図2.1.3の通りになります。
本テキストでは、1台のコンピュータで開発が可能な環境を整えて学習を行っていきますので、以下の図のようになります。
・ 開発する(PHPをプログラミングする)コンピュータと実行するコンピュータが同じ
図 2.1.4 開発環境とサーバ環境を同じコンピュータにした構築例
PHP開発環境の簡単な構築方法について
PHPの開発環境を整えるには、様々なソフトウェアを準備しなければならないうえに、色々な設定を行う必要があります。そのため、プログラミングを初めて行う方達の多くは、この事前準備で躓いてしまうことが多いです。
これらを簡単にインストールできる「XAMPP」ソフトウェアパッケージというものがあります。これを使えば誰でも簡単にPHPでのWebアプリケーション開発の準備を行うことができます。
本テキストでもこのXAMPPを利用しての環境構築手順方法を紹介していきます。