プログラム処理の流れについて

9.1 プログラム処理の流れについて

　プログラムでは、さまざまな状況に応じた処理を行うために、処理の流れを変化させる必要がでてきます。
　状況に応じてプログラムの処理の流れを制御できる仕組みには、いくつかの種類がありますので、順番に学んでいきましょう。

9.1.1 プログラムは制御構文の組み合わせ

　大規模なプログラムであっても、それは小さな処理を集めて組み合わせたものです。プログラムは以下に示す3つの基本的な構造の組み合わせで成り立っています。
　① 順次処理：処理を上から順番（記述順）に実行していきます。
　② 条件分岐処理：条件の結果に応じて異なる処理が実行されます。
　③ 繰り返し処理：条件を満たす間、同じ処理を繰り返します。
　それぞれの構造について、フローチャート（流れ図）で説明します。フローチャートとは図記号を用いて、プログラム処理の流れを視覚的に表現したものです。

図 9.1.1　プログラムの基本構造

　①はこれまでの学習でよく目にしてきた処理の流れでとてもシンプルです。しかし、②と③の処理は一直線ではありません。
　これまで作成してきたプログラムは処理が上から順番に実行される①の順次処理でしたが、これに②の条件分岐処理や③の繰り返し処理の構造を加えると、状況に応じて処理の流れを変化させることができるようになります。
　例えばWebアプリケーションであれば、アクセスした時間帯（朝、昼、夜）に応じて、画面に表示するメッセージ、背景などを変化させる処理を作成することができます。

9.1.2 PHPの制御構文の種類

　本格的なプログラムの処理を作成していく上では、「条件分岐処理」と「繰り返し処理」が欠かせませんが、これらを作るために使うのが制御構文です。制御構文とは、処理の流れを制御するためのプログラムの書き方です。制御構文には以下のような種類があります。

　　条件分岐処理
　　・if文：処理を条件分岐させる基本の制御構文
　　・switch文　：if文の記述を別の形で表現した条件分岐文
　　繰り返し処理
　　・for文：固定回数繰り返す
　　・while文：条件を満たす間繰り返す
　　・foreach文：配列データの数だけ繰り返す

　制御構文を利用することで、様々な状況に応じた処理を行えるようになります。
　本章では、「条件分岐処理」についてこの後説明していきます。

9.1.3 制御構文と真偽値の関係

　制御構文は「真偽値」を判断して処理の流れを変化させます。条件を満たしていることを「真（しん）：true」、条件を満たしていないことを「偽（ぎ）：false」といいます。または、「正しい」が「真」、「間違っている」が「偽」に該当するともいえます。
「真（true）」と「偽（false）」というものがどのようにプログラムで使われるかは、これからの学習で徐々に説明を行います。今の段階では、真偽という概念が制御構文と密接な関係があることを覚えておいてください。